くじによって選ばれた今日の旧約聖書のことば
歴代誌上29章11節
主よ、偉大さ、力、誉れ、輝き、威厳はあなたのもの。まことに、天と地にあるすべてのものはあなたのもの。
旧約聖書に応じて選ばれた今日の新約聖書のことば
エフェソの信徒への手紙1章9~10節
神は御心の秘義を私たちに知らせてくださいました。これは、前もってご自身でお決めになっていた御心によるものであって、時が満ちるというご計画のためです。それは、天にあるものも地にあるものも、あらゆるものが、キリストのもとに一つにまとめられることです。
『聖書 聖書協会共同訳』より引用
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皆さんこんにちは。救い主イエスの復活から数えて11日目を迎えました。今日もローズンゲンに示された聖書の言葉に耳と心を傾けてまいりたいと思います。今日のふたつの聖句に共通して登場するキーワードは「天にあるものも、地にあるものも」という言葉です。天地万物、また森羅万象という言葉でも表現できるかもしれません。
聖書では、これら天地万物は神によって御子とともに創造されたことが記されているのは皆さんもご存知の通りだと思います。まさに創造主である私たちの神が、すべてのものを治めたもう御方であることを、私たちは信仰としていただき、そして受け止めています。しかし、この万象に対して神がどのような思いを抱いているか、私たちはそのすべてを知り尽くすことはできません。ある程度の想像はできても、私たちの限界をはるかに超えたところに、神の御心というものが働いているということを、私たちは理解したいのです。
今日の新約聖書であるエフェソの信徒への手紙では、そのことを「秘儀」という言葉で表現しています。新約聖書の原典には「ミュステリオン」というギリシア語が用いられています。ミステリーの語源となった言葉であって、まさに謎に満ちあふれているのが神の御心なのです。
私は神の御心は神が私たちのわかるような仕方で明らかにしてくださらない限り、それを明確に知ることはできません。そしてその多くは結果とともに後付けで知らされるのです。ですから、自分自身が想像したり願っていたことが神の思いと合致することもあれば、そうでない場合も多々あるのです。大切なことはそのように導き出された神の御心の結果というものを、私たちがいかに神の御心と心を直くして受け止めることができるかどうかということなのだと私は思うのです。
その神の秘儀は、自らの御子を私たちのもとに降して、まことの人間として生きてその身を私たちのためにささげ、その後死者のなかから復活させることによって、神が与えられた命の回復というものを私たちに希望として与えてくださったことで明らかにされました。復活という私たちの生きる世界では限界のある出来事を、神はまさにミステリーとして私たちに与えてくださったところに、すべてを治めたもう神の権威というものが私たちを照らしてくださるのです。
ですから、このことを私たち人間が神の威を利用してひけらかすようなことは、神の秘儀というものを弱め、損なわせてしまうものなのだと私は思えてなりません。あくまで神の御前にへりくだりながらも、神から与えられた希望によって歩む者でありたい。これが私が今日受け止めたいと思った黙想でした。
今日も午後を迎えました。皆さんの今日の残りの時に、神の守りと祝福がゆたかにありますように。お祈りします。