くじによって選ばれた今日の旧約聖書のことば
詩編127編1節
主が町を守るのでなければ
守る人は空しく見張ることになる。
旧約聖書に応じて選ばれた今日の新約聖書のことば
テモテへの手紙一2章2節
王たちやすべての位の高い人のためにも献げなさい。私たちが、常に敬虔と気品を保ち、穏やかで静かな生活を送るためです。
『聖書 聖書協会共同訳』より引用
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皆さんおはようございます。
夏の暑い日々のなかでも、不安定な天候が続くここ数日です。大雨などで不安を抱えているすべての方に、その安全が神によって守られますように心からお祈りします。今朝はゆっくりと起きることができました。そして今日は教会でゆっくりと過ごすことのできる一日ですので、資料や原稿づくりに励みたいと思います。
さて、今日のローズンゲンに示されたふたつの聖句は、今参議院議員選挙のさなかにあって、私たちが政治に対する私たちの態度について深い示唆を与えることばであると私は受け止めました。そのことをつづってみたいと思います。
今日の新約聖書の言葉は、使徒パウロが若き同労者であるテモテへ書いた手紙の一節です。この節だけだと少しわかりにくいと思いました。「王たちやすべての位の高い人のためにも献げなさい」とありますが、一体何を献げるのでしょうか。その答えはこの節の前に記されています。
テモテへの手紙一2章1節
そこで、まず第一に勧めます。願いと祈りと執り成しと感謝とをすべての人のために献げなさい。
つまり、私たちが献げるものとは「願いと祈りと執り成しと感謝」であることが分かります。では、誰に対して私たちは献げるのでしょうか。それはすべての人や王たち、高位の人々に対して献げるのではなく、神にに対して私たちが献げることができるものであるということです。つまり、私たちがこの世界の人々のために、また政治家や権力をもった人々のために、平和かつ安寧であり、品位が保たれるなかで、誰もが幸せな生活を営むことができるように、人々に神が働きかけてくださることを切に願い、私たちはこれらのものを神に献げるのです。
私たちにとっては、あらゆる政治思想をもった方々に対して、好意をもって受け入れることのできる方々や政党があれば、その逆もあるでしょう。その際に、私たちに求められる態度とは何でしょうか。自分の意見を隠してまで世の中に迎合する必要はないと私は考えています。しかし、私たちはあくまで神の国による統治に守られた者として生きるときに、神の国が指し示す価値観や態度というものを大切にして、自らの意見というものを是非大切にしていきたいのです。
今日の新約聖書の聖句後半には「私たちが、常に敬虔と気品を保ち、穏やかで静かな生活を送るためです」と記されています。神の態度に聴き、ともに歩みたいと心から願う敬虔さ、そこからにじみ出るキリストによって練られた品性は、いたずらに挑戦的にならず、好戦的にもならず、しかし是々非々な態度で世の中に向かって歩もうとする態度が、穏やかさであるとか極めて動的な静けさというものを神の助けによって生み出すことができるのだと、私は積極的に受け止めたいのです。
この手紙が書かれた時代、イエスを救い主と告白し、それを伝えることは、ときに命の危険にさらされなければいけないくらいのものでした。ローマ帝国という権力が、いまだ残存していたであろうユダヤ教の影響が、彼らにとって大きな逆風となったからです。そのようななかで、パウロが指し示した態度とは、相手に牙をむくことではありませんでした。あくまで神の御心に聴き、平和の主であるキリストを伝えることに、心を寄せて歩もうというものでした。
今日の聖句は、選挙中の日本にあって実にふさわしい聖句であると私は感じました。私たちの国をも守ってくださる神である主がおられることに心を寄せつつ、神の御心を尋ね求め、その態度を今日一日の生活でも明らかにし、その態度を示していくことができますように。皆さんのために、また私自身のために神に祈ります。
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