11/02/2023

2023.2.11(土)#日々の聖句 #ローズンゲン 聖書のことば

くじによって選ばれた本日の旧約聖書のことば
詩編142編8節
私の魂を牢獄から引き出してください。
あなたの名に感謝するために。
 
旧約聖書に応じて選ばれた本日の新約聖書のことば
ヨハネによる福音書8章36節
だから、もし子があなたがたを自由にすれば、あなたがたは本当に自由になる。
『聖書 聖書協会共同訳』より引用・利用

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本日2月11日は「建国記念の日」として定められている休日ですが、もともとは明治時代の初めに制定された「紀元節」に由来しています。初代天皇とされる神武天皇が、天皇に即位した日にちなんだのだそうです。国はこの日を「建国をしのび、国を愛する心を養う。」と、その趣旨を説明しています。
 
神武天皇は、天照大御神(あまてらすおおみかみ)の5代孫と伝承され続けてきました。つまり、神武天皇が即位し、日本という国の建国にたずさたったという歴史は、日本が古来から自分たちの独自宗教として守り続けてきた「神道」と大きな関係があることをうたっています。「日本は天皇を中心とする神の国」という発言をした首相が、かつて報道に取り上げられて、問題にされたことがあるのを皆さんもご記憶にあるのではないかと思います。
 
つまり、こういう日に、宗教とは何か。信じるとはどういうことなのか。日本国憲法で保障されている「信教の自由」とはいったいなんなのだろうかということを、じっくりと考える機会にすることは、とても大切なのだろうと私はあらためて感じさせられています。ちなみに、キリスト教を中心にこの日を「信教の自由を守る日」と言うこともあります。私は本日、長野県松本市で行われる「2.11集会」の講師として、カルト宗教問題について、信教の自由に対する理解を深める機会をいただきました。
 
さて、そういう時に読まれる本日の聖書の言葉は、まさにタイムリーとしか言いようのないものであることを思わされます。あなたがたは本当に自由になる。そう告げたのは、救い主イエスでした。私たちにとって自由とはなんなのだろうかということを考えるときに、聖書は一貫して、神との関係性について明らかにしています。「もし子があなたがたを自由にすれば」という条件の言葉は、イエス・キリストとの関係において、あなたがたは本当に自由になるのだということが約束されているわけで、ややもすれば束縛しかねない関係性が多数あるなかで、イエスとの関係性は、本当に人間を解放に向かわせることを、イエスご自身が約束されたのでした。
 
では、関係性を束縛に向かわせるものとは一体何か。それは、人間が人間を支配しようとする時です。本日の旧約聖書の言葉は、束縛され、捕らわれの中にある私の魂を救ってくださいと神に願い出る詩人の祈りとなっています。詩人は人間関係のしがらみに悩みや苦しみを持っていたのでしょう。詩編には概してそのような表現がいくたびも登場します。私たちもまた、人間関係で苦しむことが多々あることをよく知っています。神にその苦しみを願い出るときに、神は私たちをまやかしのない自由を与え、解放に向かわせてくださる。これが、本日の聖書が与えるメッセージであると受け止めました。
 
カルト宗教のように、人を苦しみの底に突き落とすような存在を思う時に、宗教というものが人を縛り付けるために、しばしば用いられてきた手段であることを思います。しかし、神はその逆のことを、私たち一人ひとりに対して言葉として与えられているならば、私自身、宗教が与える役割というものを、たびたび捉えなおすことの大切さを思わされた次第です。こういう日だからこそ、いみじくも自由について考えることのできる一日を、私たちは神との関係を見つめつつ、過ごしてまいりたいと願います。皆さんの一日に、自由を与えてくださる神の守りと祝福が、ともに、豊かにありますように。お祈りいたします。

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