07/01/2023

2023.1.7(土) #日々の聖句 #ローズンゲン 聖書のことば

くじによって選ばれた本日の旧約聖書のことば
詩編113編3節
日の昇る所から日の沈む所まで主の名は賛美される。
 
旧約聖書に応じて選ばれた本日の新約聖書のことば
ローマの信徒への手紙15章5~6節
忍耐と慰めの源である神が、あなたがたに、キリスト・イエスに倣って互いに同じ思いを抱かせ、心を合わせ、声をそろえて、私たちの主イエス・キリストの父なる神を崇めさせてくださいますように。
『聖書 聖書協会共同訳』より引用・利用

******
 
心を合わせ、声をそろえて、神をあがめさせてくださいますように。
伝道者パウロによる言葉が、本日選ばれた新約聖書の言葉です。私は心を合わせること、声をそろえるとはどういうことなのかについて、あらためて黙想したいと思いました。
 
今日のパウロの祈りは、神が私たちをキリストが示された生き方にふさわしい者として、私たちが神の助けによって整えらえることによって、心を合わせ、声をそろえつつ、神をあがめることができるのだという信仰によって、ささげられたものであることがわかります。つまり、私たちをひとつの思いにしてくださるのは、私たちの努力の結果ではなく、私たちのそのように整えてくださる神なのだということを、私たちはパウロの祈りから知りたいと思うのです。
 
私は思います。人は誰ひとりとして同じではないということを。なぜならば、神がそのように私たちをおつくりになられたからです。個性をつくり、その人にしかない賜物をさずけ、その個性や賜物が行き交う場としての社会をおつくりになられたからです。
 
しかし、だからこそ、私たちは悩みを抱きます。心理学者であるアルフレッド・アドラーは「すべての悩みは、人間関係からできている」という言葉を残したのも、大いに納得できます。私たちが誰ひとりとして同じではないということは、人と人とのあいだにある「違い」というものを、どのようにとらえることができるかという考えに私たちを導きます。
 
人間関係におけるトラブルは、「あの人を私と同じくしよう」というところから起きてきます。それは、あの人は私と同じ考えを抱いてくれるはずだと期待し、その期待が外れて、自分の意に沿わないことを相手が言ったりおこなったりすると、そこにネガティヴな思いが生じて、いろんな理由をつけては正当化して、何が何でも同じくさせてやろうと躍起になったりするわけです。こういう過程のなかで、人間関係のトラブルが起きるのだと私は思ったりしています。
 
話を戻せば、本日の新約聖書の言葉にある「心を合わせて、声をそろえて」というのは、私たちがどんなに努力して一斉的な行動ができたとしても、その心が本当にひとつとされているのだろうかというところにまで考えたいと私は思いました。人と人とのあいだにさまざまな違いがあるなかで、その個性を十分にお認めになり、賜物をそれぞれに授け、それが活かし合えるようなところにこそ、「神が私たちをひとつにしてくださる」ことの本質があって、それをなしてくださる唯一の方が、私たちの神なのだと。
 
日の昇る所から日の沈む所まで。つまり、私たちの知らない最果ての地にいたるまでという言葉が、本日の旧約聖書の言葉です。私たちは他者のすべてを知ることはできないので、すべての人の心を強制的にひとつにすることができません。しかし、私たちのすべてをご存知である神が、私たちをひとつとすることができるからこそ、最果ての地まで同じ神をあがめることができるのだと、今日のふたつの聖書の言葉から黙想させられました。
 
そういう環境にこそ、それぞれに与えられた個性とか賜物というものを、自分に与えられたものと同じように愛おしむことができるのだと。そこに、世界がひとつさせられることを信じて歩みたいと思わされました。それが、キリストに倣ってという意味なのかと受け止めて、今日の一日を過ごしてまいりたいと思います。皆さんの一日に、神が与えてくださる平和がともに、豊かにありますように。お祈りいたします。

0 件のコメント:

コメントを投稿