28/01/2023

2023.1.28(土)#日々の聖句 #ローズンゲン 聖書のことば

くじによって選ばれた本日の旧約聖書のことば
サムエル記上17章45節
ダビデはそのペリシテ人(ゴリアテ)に言った。「お前は剣や槍や投げ槍で私に向かって来るが、私は万軍の主の名によって、お前に立ち向かう。
 
旧約聖書に応じて選ばれた本日の新約聖書のことば
ローマの信徒への手紙12章2節
あなたがたはこの世に倣ってはなりません。
『聖書 聖書協会共同訳』より引用・利用

******
 
本日のローズンゲンによって選ばれた聖書の言葉は、サムエル記上の17章です。本日の聖書の言葉には「そのペリシテ人」とありますが、それは巨人ゴリアテのことです。そのゴリアテと戦ったのは、後にイスラエルにして最も有名な王となったダビデであることは、皆さんもおそらくご存知のとおりです。本日の聖書の言葉は、そのダビデによってゴリアテに語られた言葉です。
 
イスラエル人とペリシテ人とのあいだに戦いが始まりました。サウル王率いるイスラエル軍に立ちはだかったのは、ペリシテ人の代表兵士であったゴリアテでした。身長が約3m、身にまとった鎧は約60kg。見るからに屈強で、それはイスラエル軍の兵士たちを恐れさせるものでした。
 
ゴリアテはイスラエル軍を挑発します。自分に戦い挑む兵士をひとり出せと。自分を殺すことができるならばペリシテ人はイスラエルの奴隷になろう。しかし、自分が勝てばお前たちイスラエルはペリシテ人の奴隷になるのだと。そして、恐れをなしているイスラエル軍を愚弄するにとどまらず、イスラエルの神をも侮辱したのでした。
 
そのようなゴリアテに、ダビデは立ち向かいます。しかし、恐れに取り囲まれた他のイスラエル兵士たちとはひと味もふた味も違った。それがダビデでした。ダビデは、見た目の強さや迫力、そこから発せられる脅しの言葉に屈することは決してなかったのです。剣や槍という凶器で戦うのではない。私は万軍の主の御名によって戦うのだと宣言しました。
 
ダビデは経験していました。自分がどうして神によって油注がれた者として選ばれたかということをです。サムエルが神に導かれて後継者を選ぶ際に、神は見た目の良さで選ばれるのではなく、心をご覧になる方であることをもって、サムエルを導きました。その結果、神はサムエルを通してダビデを選び、戦いの場にこうしてダビデは立たされているのです。
 
つまり、ダビデは神の姿勢を自分の姿勢としました。大切なのは見た目にどれだけ強くあることではない。主の力と助けによって生きることこそ、本当の強さなのだとダビデは確信していました。だからこそ、多くの恐れが取り囲むなかで、ダビデはゴリアテにそのような宣言ができたのでしょう。そして、神の助けによって、ダビデはゴリアテを打ち倒すことができたのです。
 
そのことを踏まえて、本日の新約聖書の言葉に触れますと、具体的なイメージを持つことができると私は受け止めました。この世に倣ってはいけないという言葉は、言い換えれば、この世界でまかり通っている基準というものが、神が私たちに指し示そうとしている姿勢に相通じるのだろうかという、私たちの識別が求められていることを示唆するものであると、私は受け止めました。
 
私の生活も、衣食住も、経済的なことも、人間関係も、牧師という職業をもって教会と隣人、社会に仕えることも、教会という組織をもって生きていることも、すべてこの世界のただなかで起こっていることですから、それはすなわち、この世界でまかり通っている基準によって、時には支配され、翻弄されながら生きていかなければならない現実があるのだと。それは紛れもない事実です。
 
しかし、そのような世界のなかで、やはり大切にしなければならないことがある。それは、私がいかに神の姿勢を深く知り、その姿勢によって生きるかということをです。どんなにそれがチャレンジングなことであっても、恐れを呼び起こすようなことであったとしても、その先にあることは、神が私のうちにあるさまざまな恐れやひるむ心をすべてご存知なうえで、究極の平和を与えてくださるのだと。そのことを信じたいのです。
 
ゴリアテに屈して奴隷状態を味わわなければならないということは、人間を窮地に陥れる価値観に支配されることによって、尊厳を得ることができない状態を意味しているのだと私は理解します。そうではなくて、人間を愛し、人間を大切にされることを第一の姿勢とした神の平和によって守られるということ。その価値観を大切に守りたいと願わされました。
 
今週も最終日を迎えました。一週間の日々を振り返りながら、神によって守られていることの幸いを想いつつ、今日の一日を過ごしてまいりたいと思います。皆さんの一切に、そのような神の平和がともに豊かにありますように。お祈りいたします。

0 件のコメント:

コメントを投稿