19/07/2022

2022.7.19 #日々の聖句 #ローズンゲン 聖書のことば

くじによって選ばれた本日の旧約聖書のことば
詩編34編8節
主の使いは主を畏れる者の周りに陣を敷き
彼らを助け出した。
 
旧約聖書に応じて選ばれた本日の新約聖書のことば
使徒言行録12章7節
すると、主の天使がそばに立ち、光が牢の中を照らした。天使はペトロの脇をつついて起こし、「急いで起き上がりなさい」と言った。すると、鎖が彼の手から外れ落ちた。

『聖書 聖書協会共同訳』より引用・利用
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今日の新約聖書の言葉は、イエスが救世主であることを知らせていた者たちにとっては、まさに命の危険にさらされていたときの記録です。イエスの筆頭弟子であったペトロが、ユダヤの王によって投獄されてしまいます。その前には、昔からの漁師仲間であり最初のときからイエスの弟子として共に人生の日々を歩んでいたヤコブが、迫害ゆえに殺されてしまったのです。
 
ときは、イエスが殺された過越の祭り、除酵祭のさなかで事件は起きました。まるでイエスが殺されたときのことがよみがえってくるかのように、ヤコブが殺され、ペトロが捕らえられていく。しかし、ここでペトロは、かつてイエスのもとを去って逃げてしまったことを繰り返しませんでした。投獄される我が身を受け入れます。
 
聖書の言葉によると、ペトロは厳重な監視のもと投獄されていたことがわかります。そして、おそらくヤコブと同様に殺されることになるのでしょう。まさに迫害が今ペトロの足をつないでいる鎖のように、がんじがらめに取り囲んでいる。しかし、ペトロは知っていました。そんな鎖よりも、自分はもっと強力なものに囲まれているのだ。そう。神の絶対的な善き力にしっかりと囲まれ、守り慰められているのだと。
 
今日の旧約聖書の言葉である詩編34編には、主を畏れ敬う者に、天使の大群が陣を敷くと歌われています。どんなに人間が監視の目を光らせても、天使の大群に敵うものはない。ペトロはそのことを確信していたのでしょう。それはかつての失敗が活かされたときでもありました。もう逃げない。必ず神が助けてくださると。
 
ペトロに天使がやってきたとき、鎖は解け、不思議な仕方でペトロは牢を脱することができました。そのときの出来事は、ペトロのその後の人生をさらに豊かなものにしたに違いありません。人は失敗から実に多くのことを学び、安心を得る大きな助けとなるのだと、今日の聖書の言葉は、私に伝えているような気がしてなりません。
 
善き力によってまことに、そして静かに囲まれて、
すばらしい慰めのもとに、絶対的な力によって守られている。

ナチス・ドイツによって投獄された牧師ディートリッヒ・ボンヘッファーが、1944年のクリスマスに綴った手紙の一節です。死と隣り合わせのなかにあっても、心騒ぐことが大いに考えられるなかにあっても、ただただ静かに、神の絶対的な守りのなかにいる。ボンヘッファーはそのように綴りました。残念ながら彼は処刑されてしまいました。しかし、この手紙はその後、賛美の歌となり、ドイツはもとより日本でも愛唱されている賛美歌となりました(「善き力にわれ囲まれ」)。
 
今日も私たち一人ひとりを守ってくださる神が、私のうちにあるあらゆる恐れを打ち破って、私たちとともにいてくださるということで、安心が芽生えますように。たとえ失敗したとしても、その失敗をも良きものに変えてくださる神がおられることに喜ぶことができますように。お祈りいたします。

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