2022.4.6 #日々の聖句 #ローズンゲン 聖書のことば

くじによって選ばれた本日の旧約聖書のことば

イザヤ書40章13節

誰が主の霊を計り

助言者として主に教えたのか。

　

旧約聖書に応じて選ばれた本日の新約聖書のことば

ローマの信徒への手紙11章33節

ああ、神の富と知恵と知識のなんと深いことか。神の裁きのいかに究め難く、その道のいかにたどり難いことか。

『聖書　聖書協会共同訳』より引用・利用

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誰が主の霊を計り／助言者として主に教えたのか。

いや、そんな人間は誰もいない。

　

本日の旧約聖書であるイザヤ書は、神の知恵と力に並ぶ者など誰もいないのだということを、逆説的な問いかけによって明らかにしようとする一連の文章の一節です。

　

神にようになりたい。これは聖書が示す人間の願望です。最初の人間夫婦であったアダムとエバは、「神のようになれる」という蛇のアプローチに応えて、善悪と知識の木からその実を食べました。そそのかされたからそうしたと人間は言いました。しかし、根本的には「神のようになりたい」願望がなければ、その誘いに乗ることはなかったのではないかと、私は思うのです。

　

この人間の願望を、私たちはいかに自分のものとして認めることができるだろうかというところに、今日の聖書の言葉を理解する鍵があるような気がしてなりません。神を恐れ、神の御前に謙遜にあると言いながら、私は自分が神になろうとしてはいないだろうか。そんなことを自分自身の思いと心に訴えて、考えることは本当に大切なのだと、私は自分のこととしてそう思わされます。

　

神のようになりたいという願望は、支配欲を生むと私は考えています。知らぬ知らぬ間に、その人を振り回したり、自分の意のままに操ろうとしていないだろうか。そんな思いが助長すると、カルト的なものが育つのだと思います。カルトとはゆがんだ支配構造のゆえに生じるものだからです。

　

そうならないために、私には到底はかりがたい富と知識、知恵に満ちあふれた神がおられることを、心底から確かめ続けることが必要なのだと思わされます。今日の新約聖書の言葉は、知識階層の人物であった使徒パウロでさえも、そんな知恵や力、経験は神の御前では何も誇ることができないという思いがあってこそ、感嘆の声を書き綴ったのだと思います。

　

神はこの世に何を想い、何を願い、私たち人間に何を期待しておられるか。それは、ご自分の与えられた言葉と、その言葉を理解するために余すところなく与えられた聖霊の力によって、確かに私たちに与えられます。大切なのは、私たちがいかにそれをゆがみなく受け取ることができ、自分の生き方とすることができるだろうか、ということなのだと私は受け止めました。

　

世界を想います。これ以上無意味な血を流さないために。流行り病で苦しむ人々が無用な誤解でこれ以上苦しまないために。この世界の人間関係がゆがみ切った支配構造の渦に巻き込まれないために。ただ、神の御心がなりますように。今日もそのような一日でありますように。