15/04/2022

2022.4.15 #日々の聖句 #ローズンゲン 聖書のことば

くじによって選ばれた本日の旧約聖書のことば
詩編119編36節
不当な利益にではなく
あなたの定めに私の心を傾けさせてください。
 
旧約聖書に応じて選ばれた本日の新約聖書のことば
フィリピの信徒への手紙2章8節
へりくだって、死に至るまで
それも十字架の死に至るまで
従順でした。
『聖書 聖書協会共同訳』より引用・利用
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不当な利益にではなく。それはどのような利益のことを指すのだろうか。今日はここからまず、黙想を深めてみたいと思いました。
 
まず、神が私たちにご自分の利益というものをを分け与えてくださる方であるというのは、聖書全体を通して伝えているメッセージであると私は思っています。これは、神が私たちの幸せのために与えようとしている利益ですから、正当な利益と言えるでしょう。
 
それに対する不当な利益。それは独占しようとする態度から生じる利益であると私は考えます。もう少し簡単な言い方をすれば、「自分のことしか考えていない」利益。自分が得をすることしか考えていない態度から、公共の利益を食い物にしようとするときに、それは不当な利益と言えるのでしょう。
 
このような態度は、意識的・無意識的かかわらずに、他者のためと言いながら、結局自分自身の経験や気分、志向というものを基準にしようとします。だから、やっていることにムラが生じ、そのムラが人間関係にトラブルを生じさせて、利益どころか損害をつくりあげてしまうことすらあるのだと思わされます。
 
そのような不当な利益を生じさせないためにも、今日の旧約聖書は、このように歌います。あなたの定めに心を傾けさせてくださいと。あなたの定め。それは神の基本的な態度である、隣人の幸福のために、自分の利益を脇に置いて自分の持っているものを差し出そうとする思いに基づいた定めであると。
 
その点で、死に至るまで自分の利益ではなく、神の与えられる利益のために徹底的に生きたのが、十字架上のイエスその方でした。今日は受難日。イエスが十字架で負われた苦痛は、私たちが神の利益によって生きる幸福を味わうため。そのために、自分を捨て、自分に死に、神に完全な従順を示された。
 
イエスの示されたこの従順の上に、今、私たちは生かされていることを想うときに、では、不当な利益とは何なのだろうかということに、今いちど立ち止まって、今日の一日を過ごしてまいりたいと願わされました。
 
どうか、神の利益が豊かにこの世界を平安へと導いていくださいますように。祈ります。

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