2022.10.2（日） #日々の聖句 #ローズンゲン 聖書のことば

くじによって選ばれた本日の旧約聖書のことば

ハバクク書2章6節より

ああ、他人のものを増し加える者よ

いつまで続けるのか。

自分の上に重い負債を積み上げる者よ。

　

旧約聖書に応じて選ばれた本日の新約聖書のことば

ルカによる福音書12章15節より

あらゆる貪欲に気をつけ、用心しなさい。有り余るほどの物を持っていても、人の命は財産にはよらないからである。

『聖書　聖書協会共同訳』より引用・利用

＊＊＊＊＊＊

　

先日、妻と話していたときのことです。

　

「私たちは、どうしてあんな紙切れに、支配されなければいけないんだろうね。」

　

そんなことを妻は言っていました。私も心から同感しました。なんのことでしょう。そうです「お金」です。

　

私たちは神からの支配をいただいています。その支配は人間を苦しめるものではなく、私たちを解放に向かわせるものであると、私は日々聖書を用いて語っているわけですが、正直に言えば、そんな「あべこべな話」はありません。支配というのは、大体は苦しみを生じさせるものであるというのが、この世の中の一般的な理解だから。それだけ、世界中にあるありとあらゆる支配は、人を解放の喜びへの向かわせない現実があるのだと思わされます。

　

その数ある支配のなかで、おそらくもっとも強力で根深い支配が「お金にまつわる支配」なのではないかと思えてならないのです。もちろん、貨幣経済のなかで生きている以上、お金に頼らなければならない場面は、山のように存在していますし、私たちはそのような価値基準を無視して生きるわけにもいきません。

　

ただ、それに振り回され、引っ掻き回されながら、支配されることよりも、十分に支配されるだけの価値を持たれる神のご支配のなかに自分自身を置きたいと心から願わされるわけです。神のご支配というものは、本来人間がつくった貨幣を支配のおおもとには絶対されません。神は貨幣を用いられることはあるかもしれません。しかし、それを支配の材料として人間に苦しみを与えるようなことは絶対になさらないはずです。それを運用する人間が、金銭をもって人を支配し、従属させるための素材としているだけなのです。

　

自分の上に重い負債を積み上げる者と、今日の旧約聖書の言葉には記されています。重い負債を積み上げることで、その人は貨幣経済の重圧に苦しむことになります。まるで、カルト宗教が金の力で人々を支配し、強制的に献金せざるを得ない状態をつくり上げて、その人の生活を苦しみの底へ突き落とすイメージが、この一言に込められているような気がしてなりません。

　

イエスは言われました。あらゆる「貪欲」に気を付け、用心しなさいと。ここで言う貪欲とは、私は支配欲というものに相通ずるものなのではないか。そのように思ったのです。金銭やこの世の経済というものは、私たちの生活には無くてはならないものだし、それが祝福のかたちになることもあるなかで、それが、人々を苦しめるような支配の種となることについては、イエスは私たちに厳に戒めているのだと受け止めました。あくまで、束縛しない神のご支配というイメージのもとで、祝福された経済が私たちの心にあるようにと。

　

有り余るほどの財産があっても、人の命は財産によらず、ただ神が与えてくださった福音なのだと。新しい一週間を、主の礼拝とともに始めることのできる幸いに感謝しつつ、今日の礼拝のときをいただきたいと思います。神のそのような平和に満ちあふれたご支配が明らかにされ、それを受け取ることができますように。お祈りいたします。