くじによって選ばれた今日の旧約聖書のことば
詩編116編1節
私は主を愛する。
主は嘆き祈る私の声を聞いてくださる。
旧約聖書に応じて選ばれた今日の新約聖書のことば
マタイによる福音書18章26~27節
一万タラントン借金している家来はひれ伏し、『どうか待ってください。きっと全部お返ししますから』と懇願した。家来の主君は憐れに思って、彼を赦し、借金を帳消しにしてやった。
『聖書 聖書協会共同訳』より引用
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皆さん、おはようございます。救い主イエスの復活から数えて8日目の朝を迎えました。世界中の教会や集会で行われる主の日の祝祭に、神の喜びと祝福が豊かにありますように、心からお祈りします。
さて、今日のローズンゲンに示されたふたつの聖句に共通するテーマは「神は私たちの懇願を聞いてくださる」であると私は受け止めました。神はご自分の民が幸せに生きることができるように、ご自分の御心を私たちに示され、私たちにその御心に従って私たちの懇願に返答される方なのだということを、これらの聖句は私たちに伝えようとしています。
しかし、私たちはなんでもかんでも懇願すれば、それを神が全面的に受け入れてくださるのかと言えば、そんなことは絶対にないのです。神がご自分の御心によって人間が健やかに生きることを願っておられるわけですから、私たちもまた神の御心に示されたその意味というものを理解したうえで、神に願うことが本当に大切なのだと思わされます。
今日の新約聖書の言葉は、返済不能な天文学的な額の借金をした家来の話の一節です。1タラントンとは20年分の年収に相当する金額を示す単位ですので、10,000タラントンと言えば20万年分の収入と言うことになります。仮に1日1万円の収入だとすれば6,000億円ということになります。そんな額を返済できるわけがありません。
しかし、この家来の懇願に対して主人は借金を帳消しにします。これが神の人間に対する御心に他なりません。人間がこれまで背負ってきたさまざまなしがらみから解放すべく、イエス・キリストの命の犠牲と復活によって、その負債を清算された神がおられるのだ。まさにそのことを私たちに神はご自分の心としてお示しになられました。
この神の御心を、私たちはどれだけ理解しているのだろうかということを問いたいのです。というのも、この話には続きがあります。借金から解放されたこの家来は、自分に100デナリオン(約3か月分の収入に相当する額)の借金をしている仲間に返済を迫り、返済できないのを知るとその仲間を牢に入れてしまいます。この家来は、神の御心を全然理解しませんでした。だから彼は借金の帳消しが取り消されて、以前の状態以上に苦しまなければならなくなりました。
私たちは神の御心を理解しようとせずに、神にあれこれ自分の欲求の赴くままに要求をしてはいないだろうか。神が私たちのためになしてくださっていることを調子のよい時は礼賛しながらも、いざ自分自身に不都合がことが起きればすべて忘れてしまったかのように恨み節をこぼしていないだろうか。それを神に向けるように隣人にもぶつけてはいないだろうか。そんなことをいろいろと問わされるのです。
神の御心を理解することは、神がイエス・キリストを通して私たちに復活のいのちを与えるまでに憐れみを示された方であることへの深い理解へとつながっていくということを、復活節の期節を生きる者として、もう一度想い起こしながら今日の一日を過ごしていきたいと心から願わされた次第です。どうぞ皆さんの一日にも、神の御心が豊かに働きますように。それを理解する心を与えてくださる神に感謝しつつ、一日を過ごすことができますように。お祈りします。
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